ルイ14世も愛した!?歴史に見るバッグとアクセサリーの名品たち
投稿日:2025年9月15日
はじめに|“名品”とは単なる高級品ではない
歴史の中で輝き続けるバッグやアクセサリーには、デザイン性や希少価値だけでなく、「その人物がどのように使ったか」「その時代にどんな意味があったか」といった背景の物語が込められています。
本記事では、フランスのルイ14世をはじめとする王侯貴族・文化人が実際に愛用した、あるいは象徴として知られるバッグ&アクセサリーの名品を、時代背景とともに紹介していきます。
1. ルイ14世と香りのサチェル|“香水文化”の象徴
太陽王と呼ばれたルイ14世は、香水と装飾の文化を確立した人物でもあります。彼が常に携帯していたのは「ポマンダー(香り袋)」や香料瓶を入れるサチェル型の小型バッグ。
革製や金属細工が施された香料バッグは、衛生が不十分だった当時において、身を守る実用性と同時に、宮廷の気品を演出する装飾品でもありました。
現代でいうところの“ポーチ”や“香水瓶ケース”の起源とも言えるこのアイテムは、「香りで身分を語る」文化の象徴です。
2. マリー・アントワネットとジュエリーポシェット|革命を招いた贅沢
18世紀フランスの王妃マリー・アントワネットは、アクセサリーをこよなく愛した人物として有名です。 彼女のコレクションには、ダイヤモンドのネックレス、金のブレスレット、宝石入りのポシェット(飾り用手提げ袋)が含まれていました。
特に「首飾り事件」に代表されるように、彼女の装飾品は政治スキャンダルにもなりうる影響力を持ち、装飾品が政治と民衆感情にどう関わるかを物語っています。
3. ヴィクトリア女王とモーニングジュエリー|喪と愛の表現
イギリスのヴィクトリア女王は、夫アルバート公の死後、長きにわたって喪に服し続けたことで知られます。 彼女が着用していたのはモーニングジュエリー(喪服用ジュエリー)と呼ばれる、黒いジェットやエボニー、ヘアロケットを用いた装飾品でした。
単なる装飾ではなく「亡き人への愛」「死への敬意」を表す意味を持ち、こうしたジュエリーは中流階級にも広まり、19世紀イギリスの「死生観とファッション」が融合した文化の象徴となりました。
4. ココ・シャネルと2.55|“女性の解放”を象徴したバッグ
1955年に発表された「シャネル 2.55」は、ココ・シャネルが女性の自立を後押しする意図でデザインしたショルダーバッグ。 それまでのクラッチバッグ中心の時代に革命をもたらし、「手を自由にするバッグ」として歴史に名を刻みました。
シンプルかつ機能的なフォルムとキルティング加工、ゴールドチェーンの融合は、今なおラグジュアリーバッグのスタンダードとなっています。
5. グレース・ケリーとケリーバッグ|名品の“名付け親”となった女性
エルメスの代表作「ケリーバッグ」は、モナコ王妃グレース・ケリーが妊娠中にバッグでお腹を隠した姿が写真に撮られたことがきっかけで、その名を冠されるようになりました。
王妃としての品格と母としての気品を併せ持つ彼女の行動が、「女性らしさ+気高さ+プライベート性」を象徴する名品の誕生につながったのです。
まとめ|“名品”は“時代の心”を映すミラー
名品と呼ばれるバッグやアクセサリーには、常に文化的・社会的・精神的背景が存在します。 それらはただ美しいだけではなく、「その時代の思想」「人物の心情」「社会構造」を表現してきたのです。
現代の私たちがバッグやアクセサリーを選ぶときも、「誰が作ったのか」「どんな意味があるのか」という視点を持つことで、ファッションはより深く、豊かなものになるでしょう。
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